着 物 染 色 家
佐 藤 節 子

Biography

 1944年 東京生まれ。1963年 染色家の父、腰原新一急逝後女子美在学時代より工房を継承する。1977年 株式会社あらたを設立し、創作を得意とする独自な作品を作り続け、東京友禅の着物染色家として活躍しながら現在に至る。

自身のあらた工房における新作展示会「あらた会」にて春夏秋冬の新作を発表するかたわら、一般婦人誌、および着物専門誌に四季折々の作品を掲載発表し、着物についてのコラム、エッセーなども幅広く手掛けている。

美しいキモノ(ハースト婦人画報社)、婦人画報(ハースト婦人画報社)、ヴァンサンカン(ハースト婦人画報社)、家庭画報特選 きものサロン(世界文化社)、グラッツィア(講談社)、Oggi(小学館)、LEE (集英社)、ヴィオラ(平凡社)・・・等多数。

 その他に、CM、ポスター、カレンダー等、広告宣伝分野における着物撮影に多く協力をしている。西武百貨店アートサロン、高島屋百選会を始め全国のギャラリーにて個展やグループ展を開催。2001年よりキモノ新空間を開設し、ウェブ上にて作品発表を開始する。

 近年では、着物愛好会である「瑠璃の会」を積極的に支援しながら、着物を着る機会を増やし、着物の持つ素晴らしさを普及させることに努めている。
 また、昔の着物のよさを見直し、普及させるための「今昔の会」を開き、相談会を設け多くの着物を現代に蘇らせる活動も行っている。2010年 渋谷東急文化村にて着物を楽しむレクチャー&イベントの講師。2014年〜玉川高島屋SC 着物サロンカルチャー講師。

 ライフワークとして、明治、大正、昭和、かつての着物の暮らしや風俗の姿が残されている古い写真を集めデジタルデータに残す作業、ムカシアルバムを地道に続けている。

代表的な作品

江戸好み

江戸好み 名古屋帯

粋で華やかな江戸町民文化の持つ垢抜けたエスプリを、現代に生かした作品。

箔絵

箔絵 袋帯

箔技法を用い、独自に抽象的な自然を表わす。主に袋帯。

古典

古典 名古屋帯

古来からある日本の文様に基づき、再現を試みた作品。

更紗

更紗 名古屋帯

エキゾチックな花や鳥の更紗を中心に東洋から欧州までの更紗模様を描く。

木版

木版 小紋

手押し木版画技法によるモノトーンを基調とした作品。

四季

四季 昼夜帯

四季の変化の中にある題材と素材を重視する作品。

抽象

抽象 名古屋帯

モダンなイメージで色とデザインを構成した作品。

古代

古代 名古屋帯

東西における古代模様を題材とした作品。

摺箔

摺箔 昼夜帯

摺箔技法による重厚で格調高いクラシックな作品。

ポップ

ポップ 名古屋帯

はじける楽しさの色と柄で元気に心浮き立つモダンな作品。

詩情

詩情 名古屋帯

ロマンティックな題材で、詩情あふれるストーリー性に想いを表した作品。

Message

百合の振袖 着物も帯も身に付けて初めて生きるものです。誰にでも似合うための着物では着手の良さが出ません。
 私の感性で創った着物の個性と、着て下さる方の個性が出会った瞬間をいつも大切にしたいと考えています。
 着物の普及と制作を追及して行くという姿勢が基本にありますので、染色の世界だけではなく着物全体が発展し向上することを望んでいます。
 また、昔の着物の形、図柄、色なども現代に蘇るよう様々な方法を考えています。
 以上が、私の信念ですので、同調者の方には喜んで協力していくつもりです。
 雑誌やインターネットを通じ、よりたくさんの人に着物について興味を持って頂くことが私の喜びでもあります。